スマホ代の平均は月4,198円に上昇|中央値4GBが示す「払いすぎ」の構造を図解

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家計・固定費分析

スマホ代の平均は
月4,198円に上昇

下がり続けていた料金が、今回だけ反転した。でも同じ調査には「みんなが実際に使っているギガの中央値は4GB」と書いてある。この2つを並べると、料金が上がった本当の意味が見えてくる。

やま(データアナリスト18年/FP2級・宅建ほか15資格)
筋肉データアナリストの研究所 / 2026-08-20

2026年7月調査・スマートフォンの月額利用料金

4,198

前回調査から +201円(3回続いた値下がりから反転)

今回の異変

下落トレンドが反転した

核心の数字

使用量の中央値は4GB

読めばわかる

自分が払いすぎかどうか

スマホ代の平均は月4,198円(2026年7月時点)

まず、探している数字を先に置いておく。

MM総研が2026年8月6日に公表した「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態」調査によると、スマートフォン利用者の月額利用料金は平均4,198円。前回(2026年1月調査)から201円上がった。

スマートフォン全体 4,198円
ドコモ・au・ソフトバンク・楽天 4,853円
サブブランド(ahamo・UQ・ワイモバイル等) 3,296円
MVNO(いわゆる格安SIM) 1,979円

端末代の分割分は含まない、通信サービスの月額。MM総研「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態」2026年7月調査より

自分の請求書と比べて「あ、高いな」と思った人。そのまま格安SIMの比較サイトに行く前に、もう1個だけ数字を見てほしい。この調査、もっと大事なことが後半に書いてある

3回続いた値下がりが、今回だけ止まった

同じ調査を時系列で並べると、今回の異質さが分かる。

4,356円 4,117円 3,997円 4,198円 25年1月 25年7月 26年1月 26年7月 値下がり局面 反転
MM総研の各回プレスリリースより作成(取得 2026-08-20)

2025年1月から2026年1月まで、3回連続で下がっていた。それが今回、201円の上昇に転じた。値下げ競争が一段落した、という読み方もできる。

201円 × 12か月 = 年間2,412円。1回の外食ぶんくらいで、騒ぐほどではない。ワテもこの数字だけなら記事にしていない。問題は、この値上がりが「たくさん使うようになったから」ではなかった点にある。

「平均4,198円」は、3つの別世界を混ぜた数字

ここを踏まえないと、平均との比較が意味を持たない。

全体平均 4,198円 4,853円 3,296円 1,979円 大手4ブランド サブブランド MVNO 大手とMVNOの差=月2,874円(年34,488円)

大手4ブランドとMVNOの差は月2,874円。年に直すと34,488円ある。つまり「平均4,198円」という1つの数字は、月5,000円近い世界と月2,000円の世界を足して2で割ったようなもので、誰の実感とも一致しない

ここまでは、たいていの記事に書いてある。ワテが今回いちばん驚いたのは、次の数字だった。

平均13.94GB、中央値4GB。この3.5倍の差が全部を説明する

同じ調査の、同じ回答者から出た2つの数字。

13.94GB 4GB 平均値 中央値(真ん中の人) 一部の大容量ユーザーが押し上げる 実態に近いのはこっち
MM総研 2026年7月調査。中央値の公表は今回が初(取得 2026-08-20)

データ分析を18年やってきて、平均と中央値がここまで開いている数字はそう多くない。3.5倍である。

何が起きているかというと、月100GB使うような一部のヘビーユーザーが平均値を引っ張り上げている。一方、回答者を使用量順に並べてちょうど真ん中に立つ人は、月4GBしか使っていない。

平均値と中央値の違い(30秒で)

10人のうち9人が月4GB、1人が月100GB使っていたら、平均は13.6GBになる。でも「普通の人」は9人のほうだ。平均値は外れ値に弱く、中央値は強い。だから統計の世界では「分布が歪んでいるときは中央値を見ろ」が基本になる。
今回、MM総研が中央値を初めて出してきたのは、そこそこ大きな話だとワテは思っている。

回答者の54.2%は、月4GB以下しか使っていない

中央値4GBの中身を分解すると、こうなる。

22.8% 9.1 16.4% 5.9 5GB以上(45.8%) 1GB 2GB 3GB 4GB ◀ 4GB以下で 54.2% 回答者の半分以上がこちら側

1GBが22.8%、2GBが9.1%、3GBが16.4%、4GBが5.9%。足すと54.2%。過半数が月4GB以下だ。

ここで冒頭の話に戻る。料金は上がった。でも、使っている量の真ん中は4GBのままだ。「たくさん使うようになったから高くなった」という説明は、少なくとも過半数の人には当てはまらない。

1日3時間スマホを見て、月4GB。この矛盾の答え

同じ調査には、利用時間のデータも載っている。

1週間のスマホ利用時間

1,286

=1日あたり約3時間

1週間の通話時間

39.6

大手4ブランド利用者。MVNOは23.8分

1日3時間もスマホを触っていて、月のデータ消費が4GB。この2つは、一見かみ合わない。動画を毎日1時間も外で見れば、4GBなど数日で溶ける。

答えはたぶんシンプルで、その3時間の大半が、自宅や職場のWi-Fi圏内で消費されているということだ。モバイル回線を実際に使うのは、通勤中と外出先だけ。だから利用時間が長くても、モバイルデータの消費は伸びない。

つまり、大容量プランで買っているのは「使う量」ではなく「Wi-Fiが切れたときの保険」に近い。保険にいくら払うかは人それぞれなので、そこは否定しない。ただ、保険だと自覚して買っているかどうかで、納得感はかなり変わると思う。

年代別に見ると、50代から平均を下回る

このブログの読者に多い40〜60代は、特にここを見てほしい。

全体平均 13.94GB 21.06 19.22 15.58 12.71 8.33 20代 30代 40代 50代 60代 単位:GB/月(全体平均の線を下回るのは50代から)

60代の平均は8.33GB。20代の21.06GBと比べると4割以下だ。それでも、大手キャリアの主力プランは無制限や30GB級が中心に置かれている。

もちろん「使わないから安いプランにしろ」と単純に言いたいわけではない。問題は、選ぶときの基準が「平均」になっていることだと思う。平均13.94GBに合わせてプランを選ぶと、60代の人は実使用の約1.7倍の容量を買うことになる。

ワテの実感としても、親世代のスマホを見せてもらうと、だいたい容量が余っている。ただし「余っているから即乗り換え」でもない。通話の多さ、家族割、キャリアメール、サポート店舗の有無で、金額だけでは決められない部分が残る。

端末代も81,747円まで上がっている

月額だけ見ていると見落とす、もう一つの固定費。

81,747円 87,228円 55,623円 全体平均 5G対応 4G LTE対応 割引前の購入金額。5Gと4Gの差は約3.2万円

全体平均は81,747円で、前回の78,771円から2,976円上がった。5G対応機が87,228円、4G LTE機が55,623円で、その差は約3.2万円ある。

月額が201円上がり、端末が2,976円上がった。どちらも単体では小さいのに、両方が同じ方向に動いているのが今回の特徴だと思う。

自分は何ギガ必要か——比較サイトを開く前の3ステップ

乗り換えの前に、順番がある。

1 直近3か月の実使用GBを見る キャリアアプリの「データ利用量」。1か月だけだと旅行等でブレる 2 契約中の容量と、実使用の差を出す 差が大きいほど「使っていない容量に払っている」状態 3 年間の差額から、乗り換えコストを引く 事務手数料・端末残債・家族割の解除・通話料の変化を差し引く 残った額がプラスなら、初めて動く価値がある

ステップ3を飛ばす記事が多い。年間34,488円の差だけ見せて「今すぐ乗り換え」と書くと分かりやすいけれど、家族割が外れて他の回線の料金が上がったり、端末の残債が一括請求になったりして、差額が思ったより残らないことがある。

差額そのものではなく、差額からコストを引いた後の数字で判断する。 ワテがこの手の見直しでいつもやっているのは、それだけだ。

それでも大容量プランのままが合理的な人

フェアに書く。全員が減らせばいい話ではない。

  • ▸ 自宅に固定回線がない … テザリングが生命線なら、容量は保険として効く
  • ▸ 移動中に動画・地図を長時間使う … 営業職・運転職はここに当たりやすい
  • ▸ 家族割・光セット割が効いている … 1回線だけ抜けると、他の回線の割引が消えることがある
  • ▸ 店舗サポートに価値を感じる … 対面で相談できることの値段を、安いと見るか高いと見るか

この記事は「格安SIMに乗り換えろ」という話ではない。平均という一つの数字に合わせて選ぶのをやめて、自分の実使用量で選び直しませんか、という話だ。結果として今の契約が最適だったなら、それが分かっただけで見直しの価値はある。

この数字はどこまで信じていいか(調査の限界)

データを扱う仕事なので、ここは書いておきたい。

調査手法 Webアンケート
対象 15〜69歳の男女
規模 プレ調査 23,406人 / 本調査 1,408人
有効回答 月額料金 8,564 / データ通信量 13,077

母集団としては十分に大きい。ただ、読むときに頭の隅に置いておきたい点が3つある。

1

Webアンケートである

回答者はネットを使う人に寄る。ネット利用の少ない層は、そもそも集計に入りにくい。

2

70歳以上が入っていない

対象は15〜69歳。60代で8.33GBまで落ちている傾向を踏まえると、70代以上を含めれば数字はさらに下がる可能性がある。

3

「わからない」を除いた集計である

データ通信量の平均・中央値は、自分の使用量を答えられた人の数字。把握していない人ほど契約と実態がズレている可能性が高いのに、その層が集計から外れている——ここがワテのいちばん気になるところだ。

3つ目は、この記事の結論をむしろ強める方向に効く。実際の「真ん中」は、4GBよりさらに低いかもしれないということなので。

まとめ:請求書を開く前の3つの問い

Q1直近3か月、実際に何GB使ったか言えるか
Q2契約中の容量と実使用の差は何GBか?
Q3乗り換えコストを引いても、まだ得が残るか?

スマホ代の平均は月4,198円で、前回から201円上がった。同じ調査で、みんなが実際に使っている量の中央値は4GBだった。平均に合わせると、真ん中の人は損をする。今回の調査が言っているのは、たぶんそれだけのことや。

やま(筋肉データアナリスト)

FP2級・証券外務員一種・AFP・宅地建物取引士・G検定 ほか15資格

データ分析実務18年・食品業界11年(メーカー営業7.5年 → 菓子卸3.5年)。通信業界の業務経験はなし。だからこの記事は「業界の内側からの解説」やなく、公表された統計を、数字の読み方の専門家として分解するスタンスで書いている。どのキャリアを勧めても1円も入らない立場から、忖度なしで。

出典・免責

① MM総研「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態」2026年7月調査(2026年8月6日公表)m2ri.jp/調査手法:Webアンケート、15〜69歳男女、プレ調査23,406人・本調査1,408人、有効回答は月額料金8,564・データ通信量13,077。
② ケータイ Watch「スマホ通信料金が平均4198円に、前回調査から201円上昇 MM総研」2026年8月6日 k-tai.watch.impress.co.jp
③ MM総研 過去回プレスリリース(2026年1月調査=3,997円、2025年7月調査=4,117円、2025年1月調査=4,356円)id=705id=689id=668
いずれも取得日 2026年8月20日。

本記事は公表統計をもとにした一般的な情報であり、特定の通信事業者・料金プランへの加入や解約を勧めるものではありません。料金・プラン内容・キャンペーンは変更されることがあるため、契約前に各社の公式情報をご確認ください。個別の契約判断は読者ご自身の責任でお願いします。

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