年末調整と確定申告の違い|「仮決算と本決算」で理解する、間違えた時は確定申告で上書きできる話【2026年分】

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家計・固定費分析

年末調整と確定申告の違い
「仮決算」と「本決算」で覚える

年末調整は会社がやる仮決算、確定申告は本人がやる本決算。この一言で、両方必要な人も、間違えた時にどうなるかも決まる。よくある質問の1位「年末調整の間違いで確定申告をしたらどうなる?」の答えは「上書きされる」や。

やま(データアナリスト18年/FP2級・AFP・証券外務員一種ほか15資格)
筋肉データアナリストの研究所 / 2026-09-14

年末調整と確定申告の関係

仮決算 → 本決算が上書き

確定申告を出すと、年末調整の数字は全部そちらに置き換わる。対立する手続きではなく、上下関係

会社員で確定申告が「必要」または「得」になる人

必要4パターン + 得4パターン

年末調整=仮決算

会社が11〜12月に、毎月の天引き(源泉徴収)と本来の所得税の差を精算する

確定申告=本決算

本人が翌年2月16日〜3月15日に、全部の所得と控除を申告して税額を確定させる

間違えたら

確定申告で正しい数字を出せば訂正扱い。還付は5年さかのぼれる

年末調整と確定申告の違いを1枚で:誰が・いつ・何を

年末調整(仮決算) 確定申告(本決算)
誰がやる 会社(従業員は申告書を出すだけ) 本人
いつ 11〜12月(翌年1月末までは再調整可) 翌年2月16日〜3月15日(還付だけなら1月1日から5年間)
対象 その会社の給与だけ 給与・副業・年金・不動産・株など全部の所得
できる控除 基礎・配偶者・扶養・社会保険料・生命保険料・地震保険料・iDeCo・住宅ローン(2年目〜)など 年末調整の控除すべて+医療費・雑損・寄附金(ふるさと納税)・住宅ローン1年目
結果 12月か1月の給与で還付 or 徴収 還付は申告後1〜1.5か月で振込、納税は3月15日まで
優先順位 確定申告が最終。出せば年末調整を上書き

上位20ページの構成はほぼこの表で終わる。ワテが足したいのは最後の行や。「どちらをやるか」ではなく「確定申告が上、年末調整が下」という順番が分かると、残りの疑問は全部その応用で解ける。

源泉徴収→年末調整→確定申告:所得税は3段階で確定する

会社員の所得税は1回で決まらない。毎月の仮払い、年末の会社の精算、本人の最終申告の3段階がある。

① 源泉徴収(毎月)=概算の仮払い 給与から税額表どおりに天引き。扶養の数以外はほぼ見ていないので、多めに取られていることが多い ② 年末調整(11〜12月)=会社の仮決算 生命保険料・iDeCo・住宅ローン(2年目〜)などを反映し、①との差額を12月か1月の給与で戻す/取る ③ 確定申告(翌年2〜3月)=本人の本決算 医療費・ふるさと納税・副業・住宅ローン1年目などを足して最終確定。②の数字はここで上書きされる 会社員の8割前後は②で終わり。③に進むのは「必要な人」と「得な人」だけ
②で終わる人は、会社が作った源泉徴収票が「確定申告書の代わり」になる。③をする人は源泉徴収票の数字を申告書に写して、足りない控除を足す。

年末調整の間違いで確定申告をしたらどうなる?:訂正扱いで、期限は方向で違う

よくある質問の1位と2位。答えは「確定申告が正になる」。ただし、税金が戻る方向と、追加で納める方向で期限が違う。

年末調整に間違いがあった 翌年1月31日まで? 会社に言えば再年末調整で直せる(会社次第) 過ぎたら本人が確定申告 税金が戻る方向 控除の入れ忘れ・保険料の書き漏れ 還付申告:翌年1月1日から5年間 3月15日を過ぎても出せる 追加で納める方向 扶養に入れた家族の年収超過など 3月15日までに申告・納税 遅れると延滞税・加算税の対象
「確定申告をしたら年末調整が無効になる」のではなく、確定申告の数字が最終値になるだけ。会社に迷惑はかからない。

ここで大事なのは、戻る方向の間違いは急がなくていいということ。生命保険料控除を書き忘れた、iDeCoの証明書を出し忘れた、は5年以内の還付申告で取り戻せる。急ぐのは納める方向だけや。

年末調整でできない控除は4つ:これがある人は「確定申告が得」

年末調整でできる(会社に申告書を出す) ・基礎控除/配偶者(特別)控除/扶養控除 ・特定親族特別控除(19〜22歳の子・2025年〜) ・社会保険料控除/生命保険料控除/地震保険料控除 ・小規模企業共済等掛金控除(iDeCo) ・住宅ローン控除(2年目以降) ・障害者控除/ひとり親控除/寡婦控除/勤労学生控除 = 書類が揃うものは会社が処理できる できない(確定申告) ① 医療費控除 (セルフメディケーション税制も) ② 雑損控除 (災害・盗難の損失) ③ 寄附金控除 (ふるさと納税。ワンストップ特例なら不要) ④ 住宅ローン控除の1年目
右の4つは、会社が金額を確認できない(医療費の領収書、被害額、寄附先の受領書、登記や契約書)ため本人の申告が要る。

「年末調整でふるさと納税はできますか」という質問が毎年出るけど、できない。ただしワンストップ特例(寄附先5自治体以内・確定申告不要の人)を使えば申告そのものが要らない。医療費控除と一緒に確定申告する年は、ワンストップは無効になって全部申告に載せ直す。

両方やる人はどんな人?:必要4パターンと得4パターン

確定申告が「必要」(義務)

  • 給与収入が2,000万円を超える(年末調整の対象外)
  • 副業などの所得が20万円を超える
  • 2か所以上から給与をもらい、主でない方が20万円超
  • 年の途中で退職して年末調整を受けていない(還付になることが多い)

確定申告が「得」(任意)

  • 医療費が年10万円(所得200万円未満は所得の5%)を超えた
  • ふるさと納税の寄附先が6自治体以上、またはワンストップを出し忘れた
  • 住宅ローン控除の1年目
  • 年末調整で控除を書き忘れた(還付申告・5年以内)

「副業20万円以下なら申告不要」は所得税の話で、住民税は20万円以下でも市区町村への申告が要る。ここは上位ページでも書き分けが曖昧なところなので、太字にしておく。

2026年分の年末調整で変わること:控除の数字が動く年

2026年(令和8年分)は年収の壁の改正が年末調整に直撃する。会社から配られる申告書の欄が去年と違う。

項目 2025年分 2026年分 影響
基礎控除(合計所得489万円以下) 最大95万円 104万円 所得税が0になる年収が160万→178万円
給与所得控除の最低保障 65万円 74万円 年収約220万円以下の人の所得が減る
配偶者控除・扶養控除の壁 123万円 136万円 扶養に入れられる家族の年収が上がる
特定親族特別控除(19〜22歳) 満額150万円まで 満額159万円まで、197万円で消失 大学生の子のバイト代の見方が変わる
生命保険料控除(一般枠) 上限4万円 23歳未満の扶養親族がいる人は上限6万円(2026年分限り) 子育て世帯は保険料控除申告書の記入が変わる

壁の中身は年収の壁2026の記事で、生命保険料控除の特例は学資保険の年末調整の記事で図にしている。2026年分は「去年と同じ書き方」が通用しない年やから、申告書の欄を1回は読んでほしい。

年末調整と確定申告の違いのよくある質問

Q. 年末調整の間違いで確定申告をしたらどうなりますか?

確定申告の内容が最終の税額になり、年末調整は上書き(訂正)されます。税金が戻る方向なら翌年1月1日から5年間、追加で納める方向なら3月15日までに申告します。会社に不利益はありません。

Q. 年末調整の間違いは確定申告でいつまで訂正できますか?

還付になる訂正は翌年1月1日から5年間です。納税になる訂正は3月15日が期限で、過ぎると延滞税・加算税の対象になります。翌年1月31日までなら会社の再年末調整で直せる場合もあります。

Q. 年末調整と確定申告の還付金の違いは何ですか?

年末調整の還付は12月か翌年1月の給与に上乗せされます。確定申告の還付は申告後1〜1.5か月で指定口座に振り込まれます。どちらも「払いすぎた所得税が戻る」もので、住民税は翌年6月以降の減額で反映されます。

Q. 年金収入がある場合、年末調整と確定申告の違いは?

給与は会社の年末調整、年金は年金側で源泉徴収されるだけで精算されません。年金収入400万円以下で年金以外の所得が20万円以下なら申告不要ですが、両方を合算して控除を使い切りたい場合は確定申告のほうが有利になることがあります。

Q. アルバイトを掛け持ちしている場合はどうなりますか?

年末調整を受けられるのは「扶養控除等申告書」を出した1か所だけです。もう1か所の給与が年20万円を超えると確定申告が必要で、20万円以下でも合算すると還付になることが多いので申告したほうが得です。

Q. ふるさと納税は年末調整でできますか?

できません。寄附先が5自治体以内で確定申告が不要な人はワンストップ特例(寄附先への申請)で済み、6自治体以上や医療費控除と併用する年は確定申告で寄附金控除を申告します。

まとめ:持ち帰る3つの言葉

上書き年末調整は仮決算、確定申告は本決算。確定申告を出せば年末調整は上書きされる
4つ年末調整でできないのは医療費・雑損・寄附金・住宅ローン1年目。あれば確定申告が得
5年戻る方向の間違いは5年以内の還付申告で取り戻せる。急ぐのは納める方向だけ

FP2級の試験範囲では「年末調整の対象者」を暗記させられるけど、実務で効くのは「どちらが最終か」という順番のほうやった。仮決算と本決算、で覚えておいてもらえたらワテとしては満足や。

やま(筋肉データアナリスト)

FP2級・AFP・証券外務員一種・宅地建物取引士 ほか15資格/データ分析実務18年/食品業界11年

税理士でも会社の経理担当でもなく、会社員として毎年年末調整を受けている側。資格マニアとして制度を読み、構造で整理する立場で書いている。個別の申告の要否や金額は状況で変わるので断定していない。間違いがあれば全部ワテの責任や。

出典・注記

年末調整の仕組み・対象=国税庁タックスアンサー No.2665「年末調整の対象となる人」/確定申告が必要な人・還付申告=国税庁 No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」国税庁 No.2030「還付申告」/ふるさと納税ワンストップ特例=総務省「税金の控除について」/両方必要なケースの整理=弥生「年末調整と確定申告が両方必要な場合とは?」/2026年分の控除額=財務省「令和8年度税制改正の大綱」。取得日 2026-09-14。アイキャッチ画像:Photo by Aaron Lefler on Unsplash

「会社員の8割前後は年末調整で終わる」は、給与所得者のうち確定申告をする人が2割程度という一般的な水準を指した目安で、統計値の引用ではない。再年末調整の可否は会社の事務によって異なる。住民税の申告要否は市区町村で確認してほしい。

本記事は一般的な情報提供であり、個別の申告の要否や税額を示すものではない。判断は読者ご自身の責任で、必要に応じて税務署・税理士に相談してほしい。制度は変更される可能性がある。

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