プロテイン値上げはいつまで?原料3倍の理由を元食品卸×筋トレ18年が構造分解

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筋トレ・フィットネス|値上げの構造分析

プロテイン値上げはいつまで?
原料3倍の理由を元食品卸×筋トレ18年が構造分解

レジで二度見したあの値札は気のせいやない。ホエイ原料は5年で約3倍。犯人は企業の欲やなく「GLP-1×チーズのおまけ」という構造やった。

やま(筋肉データアナリスト・食品業界11年/筋トレ歴18年)
出典:明治・GronG・アルプロン ほか(2026-07-10取得)

ホエイパウダー輸入平均単価(2021年1月→2026年1月)

5年で約3倍

約746円/kg → 約2,234円/kg

なぜ

GLP-1で需要爆発 × ホエイはチーズのおまけで増やせない

いつまで

「安売り時代に戻る」シナリオは描きにくい

どうする

待つより「高い時代の買い方」に切り替える

プロテインの袋を持ってレジで二度見した経験、ここ1年で何回ありましたか。3kgで8,000円台やったホエイが、気づけば11,000円超え。筋トレ歴18年のワテにとっても完全に自分事なので、食品業界11年×データ分析18年の視点で「なぜ」「いつまで」「どう防衛するか」を構造からまるごと分解する。

プロテインはどれだけ上がった?【原料単価は5年で約3倍】

まず事実から。体感やなくデータで確認する。

ホエイパウダー輸入平均単価(円/kg) 約746円 約1,888円 約2,234円 2021年1月 2025年1月 2026年1月
出典:GronG公式note(2026-03-21公開・取得2026-07-10)

店頭・EC価格にも直撃している。マイプロテインのImpactホエイ1kgは2020年の3,990円→2026年に7,975円と約2倍。エクスプロージョンのWPC 3kgも6,399円→7,899円(2024/9→2025/7)。「昔は3kg8,000円やったのに」という体感は、データで見ても正しい。

主要ブランドの値上げ年表(2024→2026)

2026年に入って、改定が明らかに加速している。

2023年後半〜

ホエイ原料の国際価格がじわじわ上昇開始

2024〜2025年

各社が段階的に改定(例:エクスプロージョンWPC 3kg 6,399円→7,899円)

2026年3月

GronGがホエイ商品を約30%引き上げ。「追加で引き上げる可能性が高い」と明記

2026年6月

明治(ザバス)が6月1日出荷分から約6〜28%改定(粉末17品+バー4品)

2026年7月(いま)

原料は約2,234円/kg(2026年1月時点)で高止まり。高値圏が継続中

ポイントは、値上げしているのが特定の1社ではないこと。国内も海外も、ほぼ同じタイミングで同じ方向に動いている。個社の経営判断というより、川上(原料)で起きていることが川下(店頭価格)に流れてきている構図だ。

なぜ上がる?値上げの犯人を分解する

原料高の背景は、大きく3つに分解できる。

1

GLP-1薬の普及で、たんぱく質需要が世界規模で膨張

米国では成人の約12%(約3,100万人)がGLP-1受容体作動薬(肥満症治療薬)を使用とされる。食事量が減る治療の性質上、筋肉維持のために医師がたんぱく質摂取を勧める。トレーニングしない人までプロテインを買う時代になった。

2

ホエイの供給は簡単に増やせない

本記事の核心。次の章で図解する。メーカーからは「販売できるホエイ原料が残っていない」という声すら出ている。

3

円安・輸送費・エネルギーコスト

ホエイパウダーはほぼ輸入頼み。為替と物流コストの上昇がそのまま仕入れ値に乗る

需要は急に増えたのに、供給は急に増やせない。値段が上がるのは、市場としてはむしろ自然な反応と言える。

ホエイは「チーズのおまけ」——増産したくてもできない話

食品業界に11年いた人間として、ここが一番伝えたい構造。

牛乳 チーズ製造 チーズ(主産物) 生産量はこっちが決める ホエイ(副産物) 乾燥・濃縮→プロテイン原料

ホエイ(乳清)は、チーズを作るときに出る副産物。牛乳を発酵・凝固させてチーズを取り出すと、残った液体がホエイで、それを乾燥・濃縮したものがプロテインの原料になる。

ホエイの生産量を決めるのは
プロテインの需要やなく「チーズの生産量」

だから「プロテインが売れてるからホエイを増産しよう」ができない。供給網は「酪農家→乳業工場→チーズ市場→乾燥設備」と連なっていて、どこか1箇所だけ増強しても不足は解けない。酪農家は世界的に減少傾向、乾燥設備の増設には年単位の投資が要る。需要が2〜3年で跳ねても、供給側は同じ速度で追いかけられない。

既視感のある人もいるはず。かつて国内で騒がれたバター不足も「生乳はまず飲用へ、加工向けは調整弁」という優先順位の構造が背景やった。欲しいものの生産量を、別のものの都合が決めている。

この「主産物と副産物の非対称」は食品原料の値動きを読むときの基本のキで、卸時代に嫌というほど見てきた形そのものだ。

豆知識:「国産ホエイプロテイン」がほとんど無いのも同じ理由。日本はチーズ生産量自体が小さく、副産物のホエイも国内ではまとまった量が出ない。原料はほぼ輸入頼み——だから円安がダイレクトに効く。

これは便乗値上げなのか?元食品卸の判定

「値上げ=企業の欲」と反射的に思う人もいるはず。便乗値上げ解体記事と同じ物差しでフェアに判定する。

チェック項目 今回のプロテイン値上げ
原価上昇の一次データがあるか ある。原料単価は5年で約3倍(746円→2,234円/kg)
改定理由を具体的に開示しているか している。明治「たんぱく原料価格は急激に上昇」、GronGは原料単価の推移を数値公開
値上げ幅は原価上昇に見合うか 改定幅は約6〜30%と、原料の上昇幅(約3倍)より小さい。公開情報の範囲では企業側がかなり吸収しているように見える

ワテの見立て:今回は「構造要因による価格転嫁」の色が濃い。個々の商品まで全部検証したわけではないので断定はしないが、犯人探しをするタイプの値上げではなさそうだ。

いつまで続く?楽観・中立・慎重の3シナリオ

ここからは事実やなく仮説。将来価格は読み切れないので、シナリオで持っておく。

楽観シナリオ

GLP-1向け需要が一服し設備増強が進んで、2027年ごろから緩む。ただし副産物構造は変わらないため、2020年水準(746円/kg)へ戻る展開は考えにくい

中立シナリオ

需要は高止まり・供給は微増。原料は高値圏で横ばい、店頭価格も「高いのが普通」として定着する。

慎重シナリオ

GLP-1利用がさらに拡大し円安も重なって追加値上げが続く。GronGが「追加で引き上げる可能性が高い」と明記している点は、このシナリオの重み。

3つに共通するのは、「近いうちに安売り時代に戻る」を前提にしたシナリオが描きにくいこと。だとすると、待つより「高い時代の買い方」に切り替えるほうが合理的だ。

高くても筋肉は諦めへん——家計防衛の実務5手

データアナリスト兼トレーニーとして、実務に落とす。上から効く順。

1

「たんぱく質1gあたり単価」で比べる

価格÷(1食のたんぱく質量×食数)。例:1kg 5,000円・1食25g中たんぱく質18gなら、40食×18g=720gで約6.9円/g。この基準だと「安く見えて1gあたりでは高い」逆転がよく起きる。

2

買うのは大型セールに寄せる

安くなりやすいのはプライムデー(7月)とブラックフライデー(11月)で、セール時は1〜3割引のケースが多い。ちょうど今月が買い場(攻略記事)。

3

ソイプロテインを試す

大豆はチーズの副産物やないので、供給がホエイほど縛られず価格も落ち着いている。合うかは個人差があるので小袋から。

4

食品でのたんぱく質単価も見直す

鶏むね肉・卵・乳製品と1gあたり単価で比較する。粉は「食事で足りない分を埋める道具」に戻すと消費量そのものが減る。

5

まとめ買いは賞味期限と相談

駆け込み大量買いは、飲み切れなければただの在庫。月の消費量を把握してから買う量を決める。

まとめ:高いプロテイン時代の3つの問い

Q1いま飲んでいるプロテイン、たんぱく質1gあたり何円か言えるか?
Q2次に買うタイミングを、セール(7月・11月)に寄せられるか?
Q3ホエイにこだわる理由は明確か?ソイや食事で置き換えられる部分はないか?

値上げの犯人は、どこかの企業の欲やなくて「GLP-1で膨らんだ需要」×「チーズのおまけという増やせない供給」の構造。構造は個人には変えられへんけど、買い方は今日から変えられる。それがデータと構造で家計を守る、この研究所のやり方や。

やま(筋肉データアナリスト)

FP2級・食品衛生管理士 ほか15資格/筋トレ歴18年

データ分析実務18年(購買データ)×食品業界11年(メーカー営業7.5年+コンビニ専用菓子卸3.5年)。プロテインメーカー・販売店とは利害関係ゼロの立場から、公開データと業界構造の知見だけで書いている。値上げの話は卸時代の本業ど真ん中。

出典・免責(取得日 2026-07-10)

株式会社明治「価格改定のお知らせ」(2026年6月1日出荷分・約6〜28%改定)meiji.co.jp / GronG公式note「ホエイプロテインの値上げが止まらない」(2026-03-21・原料単価推移746→2,234円/kg・米国GLP-1統計)note.com/grong_jp / 株式会社アルプロン「ホエイプロテイン価格高騰について」(2026-06-12)alpron.co.jp / プライシー「プロテインはなぜ値上がり?」(実売推移・セール時期)pricey.jp / ZENWORKS「ホエイパウダーはどう作られる?」(副産物構造)zen-works.jp。本記事は公開情報にもとづく一般的な情報提供であり、特定商品の購入や健康法を推奨するものではありません。価格・制度は執筆時点の情報で今後変わる可能性があります。購入・栄養摂取の個別判断はご自身の状況に合わせて行い、体調・健康に関わる判断は医師・管理栄養士など専門家への相談をおすすめします。

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