花火大会はなぜ秋に増えた?10月開催が7年で1.9倍、夏→秋シフトの構造を図解【2026年 秋の主な大会一覧】

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データ分析

花火大会はなぜ秋に増えた?
10月開催が7年で1.9倍

調布が9月、多摩川が10月、東京湾大華火祭は11年ぶりの復活を10月に選んだ。「夏の風物詩」が秋に動いている感覚を、7年分の掲載件数を数えて確かめた。理由は猛暑だけやない。

やま(データアナリスト18年/FP2級・宅建ほか15資格)
筋肉データアナリストの研究所 / 2026-09-11

10月開催の花火大会(全国・ウォーカープラス掲載件数)

3464

2019年→2026年で 1.9倍。同じ期間に8月は652→477件(▲27%)

理由は3つ重なっている

猛暑日2.4倍/落雷・豪雨/警備費+25%

秋の比率

7〜10月のうち9・10月が占める割合 8%→18%

動かした大会

多摩川・小山・淀川・広島みなと・豊田 ほか

客側の変化

開始が早い・冷える・全席チケット制が増える

「秋の花火大会が増えた」は本当か:掲載件数を7年分数えた

感覚で語られがちな話なので、ウォーカープラスの月別カレンダーに載る大会数を、各年とも9月上旬時点のスナップショットで数えた。

月別の掲載件数(全国) ■ 2019年 ■ 2026年 280 222 652 477 49 87 34 64 7月 ▲21% 8月 ▲27% 9月 1.8倍 10月 1.9倍
ウォーカープラス「花火大会」月別カレンダーの掲載件数。2019年は2019年8月20日、2026年は2026年9月11日時点。過去分はInternet Archiveの保存版から筆者が取得。

8月が減って9・10月が増えた。合計は1,015件から850件へ減っているので、「秋にも増えた」というより夏が減って、その一部が秋に動いたと読むほうが正しい。

7〜10月の大会のうち「9・10月」の割合 8.2% 2019 16.3% 2023 16.1% 2024 15.3% 2025 17.8% 2026 2020〜22年はコロナ禍のため除外
同じデータから筆者が算出。9・10月の合計÷7〜10月の合計。2019年8.2%→2026年17.8%で約2.2倍。

秋の割合は2023年に一気に16%台へ上がり、そこから3年横ばい、2026年にもう一段上がった。コロナ明けの再開時に日程を秋へ組み直した大会が多かった、というのが2023年の段差の中身やと思う。

花火大会が秋に動く理由は3つ:猛暑日・落雷とゲリラ豪雨・警備費

主催者の発表文を並べると、理由は毎回この3つのどれかに落ちる。順番に数字を当てる。

東京の猛暑日(最高気温35℃以上)の年間日数 12日 2019 16日 2022 22日 2023 20日 2024 29日 2025 過去最多
気象庁の観測値(東京)。2018〜2020年は各12日。2025年は9月8日時点で29日となり年間最多を更新(日本気象協会 tenki.jp)。

① 猛暑日が2.4倍

東京の猛暑日は12日→29日。何十万人を河川敷に3時間座らせる行事として、主催者が熱中症の責任を負い切れなくなった。

② 落雷・ゲリラ豪雨

多摩川花火は2017年8月の落雷事故を機に、2018年から10月へ。夏の夕立は「中止」でなく「事故」になる。

③ 警備費が予算の1/3

鎌倉花火大会は警備費が総予算の3分の1で前年比+25%。予備日を設けると費用は1.8倍。雨で流せない金額になった。

ワテが一番効いていると思うのは③。①②は「秋に移せば済む」話やけど、③は1回の中止が来年の開催を消す金額になっていて、雷雨リスクの小さい月を選ばざるを得ない構造になっとる。

秋に動かした花火大会の年表:2018年の多摩川から2027年の広島・豊田まで

名前を知っている大会だけでも、この10年でこれだけ動いた。矢印の左が従来、右が現在。

2018 多摩川花火(世田谷・川崎) 8月 → 10月(2017年の落雷事故が契機) 2025 小山の花火(栃木) 7月最終土曜 → 9月23日(猛暑・ゲリラ豪雨・選挙日程) くきのうみ花火(北九州)/志木市民花火(埼玉) 7月 → 10月25日/7月 → 11月22日 なにわ淀川花火大会(大阪) 8月 → 10月18日(万博会期を避けた。2026年も10月17日) 2026 東京湾大華火祭(11年ぶり復活) かつて8月 → 10月24日・約12,000発・全席チケット制 小山の花火 9月 → 10月第1土曜に固定(10月3日) 2027 広島みなと夢花火大会 7月第4土曜 → 9月第4土曜(猛暑対策で2か月後ろへ) 豊田おいでんまつり(愛知) 7月 → 10月30・31日
各大会の公式発表と報道(中国新聞・Yahoo!ニュース エキスパート・ウォーカープラス)より作成。調布花火も8月開催から秋開催へ移った大会の一つで、2026年は9月12日。

2025〜2027年に集中しているのが分かる。2025年の猛暑日29日が最後の一押しになったと見るのが素直で、2027年に動く広島と豊田は、その年の夏を経て決めた組やと思う。

秋開催で観る側に起きること:開始が早い・冷える・「全席チケット」が増える

主催者側の事情で日程が動くと、観る側のルールも変わる。夏の感覚で行くと3つで失敗する。

夏(7〜8月) 秋(9〜10月) 開始 19:00〜19:30 が多い 日没 18:50前後(東京・8月上旬) 開始 17:30〜18:15 に前倒し 調布18:15/東京湾17:30/淀川19:00 暑さ対策(熱中症) 日中30℃超の中で場所取り 寒さ対策(日没後に急に冷える) 10月下旬の河川敷は上着が要る 無料の河川敷+一部有料席 早い者勝ちの場所取り 有料席が主役・全席チケット制も 東京湾は完全申込制/淀川5,000〜28,000円
開始時刻は各大会の2026年公式発表。淀川の協賛観覧席は大人5,000円(パノラマ)〜28,000円(納涼船)。

3つ目が一番大きい。警備費が予算の3分の1を占める以上、無料で人を集める行事から、席を売って警備費を賄う行事へ変わらざるを得ない。東京湾大華火祭が復活の条件に「全席チケット制」を付けたのは象徴的や。

秋にも中止はある。9〜10月は台風の月でもあり、2025年は10月の大会でも順延や中止が出た。秋開催=安全ではなく、雷雨の確率を台風の確率と交換した、と理解しておくと落胆が少ない。

2026年 秋(9・10月)の主な花火大会:関東を中心に日程・規模

ここからは実用。9月11日時点の公式発表ベースで、規模の大きいものを並べた。荒天時の扱いは各公式で確認を。

開催日 大会名 場所 打ち上げ数 例年の人出
9/12(土) 第41回 調布花火 東京・調布市 多摩川 約1万発 32万人
9/12(土) 第59回 常総きぬ川花火大会 茨城・常総市 約2万2,000発 約12万人
9/12(土) 第14回 沼田花火大会 群馬・沼田市 1万発以上 9万人
9/19(土) 第39回 利根川大花火大会 茨城・境町 約3万発 約30万人
9/19(土) 那須野ふるさと花火大会 栃木・那須塩原市 約2万発 7万人
9/26(土) 大洗海上花火大会2026 茨城・大洗町 約2万発 約40万人
9/26(土) 北区花火会 東京・北区 荒川河川敷 1万発 6万人
9/27(日) よこすか開国花火大会2026 神奈川・横須賀市 約1万発 非公開
10/3(土) 第74回 小山の花火 栃木・小山市 思川 約2万発 約45万人
10/3(土) 世田谷区たまがわ花火大会/川崎市制記念多摩川花火大会 東京・世田谷区/神奈川・川崎市 各約6,000発 約27万人/約20万人
10/3(土) 三郷花火大会 2026 埼玉・三郷市 江戸川 約1万4,000発 11万人
10/10(土) 第23回 こうのす花火大会 埼玉・鴻巣市 荒川河川敷 約2万発 約60万人
10/10(土) 第80回 あつぎ鮎まつり 神奈川・厚木市 相模川 約1万発 約11万人
10/17(土) ちくせい花火大会 2026 茨城・筑西市 2万21発
10/17(土) 第38回 なにわ淀川花火大会 大阪・淀川河川敷 非公開
10/24(土) 東京湾大華火祭(11年ぶり) 東京・晴海埠頭沖 約1万2,000発 全席チケット制

関東だけで、ウォーカープラス掲載は9月24件・10月20件。8月の98件に比べれば少ないが、1大会あたりの規模は秋のほうが大きい。上の表で人出10万人超が9本ある。

よくある質問

Q. 秋に有名な花火大会はどこですか?

関東ならこうのす(約60万人)・小山(約45万人)・大洗(約40万人)・利根川(約30万人)。全国では土浦全国花火競技大会、大曲の花火 秋の章、やつしろ全国花火競技大会が秋の大型大会として知られています。

Q. 関東で2026年10月に花火大会はありますか?

あります。10月3日の小山・多摩川(世田谷・川崎)・三郷、10月10日のこうのす・あつぎ鮎まつり、10月17日のちくせい、10月24日の東京湾大華火祭など、ウォーカープラス掲載で20件です。

Q. 淀川花火大会はなぜ10月に開催されるのですか?

2025年は大阪・関西万博の会期(4〜10月中旬)と重なるのを避けて10月18日に移りました。2026年も10月17日で、夏の猛暑や雷雨を避けられる利点から秋開催が続いています。

Q. 関東で混まない花火大会はどこですか?

例年の人出で見ると、那須野ふるさと花火大会(7万人・約2万発)、北区花火会(6万人・1万発)、沼田花火大会(9万人・1万発以上)は打ち上げ数に対して人出が少なめです。秋は日没が早いので、夏より1時間早く着く前提で。

Q. 花火大会は今後ずっと秋に移りますか?

全部が動くわけではありません。2026年も8月は477件と最多の月です。ただ猛暑日と警備費の傾向が変わらない限り、大規模な大会ほど秋へ動く圧力が強いと見ています。

まとめ:持ち帰る3つの数字

1.9倍10月の花火大会は34→64件。8月は652→477件に減った
29日東京の猛暑日は12日→29日。2025年が最後の一押し
1/3警備費は予算の3分の1。無料の行事から席を売る行事へ

「花火は夏」という前提が、数字の上では2023年に崩れて、2026年にもう一段進んだ。暑さで動いたのは日程、警備費で動いたのは料金。両方が同時に来ているのが今の秋花火や。

ワテは10月の河川敷で震えながら見る花火も嫌いやない。ただ「夏の風物詩」と書く原稿を見るたびに、もう数字がそう言ってへんなあ、とは思う。

やま(筋肉データアナリスト)

データ分析実務18年/食品業界11年(食品メーカー営業7.5年→菓子卸3.5年)/FP2級・証券外務員一種・AFP・宅建 ほか15資格

「増えた気がする」を数えて確かめるのが本職。この記事の件数は情報サイトの掲載数を代理指標にした筆者集計で、全国の花火大会の実数ではない。年ごとの取得時点を揃えて比較したが、掲載基準の変化までは補正できていない。間違いがあれば全部ワテの責任や。

出典・注記

大会数=ウォーカープラス 花火大会2026 月別カレンダー(2026年9月11日取得)と、同ページの過去年版(Internet Archive 保存版・2019年8月20日/2023年9月5日/2024年9月5日/2025年9月1日時点)/猛暑日=気象庁観測値、日本気象協会 tenki.jp 2025年9月8日社会実情データ図録/警備費=テレビ朝日系 ANN(Yahoo!ニュース)/日程変更=Yahoo!ニュース エキスパート やた香歩里中国新聞デジタル多摩川花火大会(Wikipedia)/東京湾大華火祭=ジョルダン 花火大会2026/淀川=主催発表まとめ。取得日 2026-09-11。アイキャッチ画像:Photo by kazuend on Unsplash

大会数は情報サイトの掲載件数を代理指標にした筆者集計で、全国の開催実数ではない。各年の取得時点を9月上旬に揃えたが、掲載基準や登録タイミングの差は補正していない。2020〜2022年はコロナ禍で件数が大きく歪むため比率の図から除外した。打ち上げ数・人出は各大会の公表値で、開催可否や時間は変更されることがある。

本記事は一般的な情報提供であり、特定の大会への来場やチケット購入を推奨するものではない。開催の可否・交通規制・観覧ルールは各大会の公式発表で確認してほしい。

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